茶杓とは、茶道の際に「抹茶を容器からすくうための竹製のさじ」です。長さは品によって異なりますがおよそ15~20cmくらいであることが多く、見た目を例えるなら「大きな耳かき」のようです。
茶杓は見た目こそあまり高級そうには見えませんが、数々の偉人や有名な茶人が作ったものもあり、歴史的・美術品的価値がある茶杓になってくると百万円単位の買取価格で取引されるのが当たり前になってきます。
このページでは、茶道具の「茶杓」の買取相場や鑑定ポイント、骨董品として高く売れる茶杓の特徴などを分かりやすく解説していきます。
ここがポイント!
茶杓の価値を鑑定するのは非常に難しく、素人が一見しただけではまず分かりません。
当サイトでもおすすめの骨董品買取業者「福ちゃん」と「日晃堂」であれば、完全無料で相談・査定を受け付けているので、もし気になる茶杓があれば相談する事をおすすめします!
目次
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茶道具の「茶杓」について
茶杓は「大体15~20cm前後の竹製のさじ」のことで、抹茶を茶器からすくうための茶道具です。
茶杓の特徴としては、もちろん作家物もありますが「茶人が自ら作る場合もある」という点が挙げられ、名のある宗匠が手掛けた茶杓も数多く存在し、骨董品市場でも盛んに取引が行われています。
茶杓は竹で作られるものが多いのですが、象牙や木製の茶杓など素材のバリエーションも豊富ですので、まずは茶杓に使われる素材をいくつかピックアップして紹介します。
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竹茶杓
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象牙茶杓
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鹿角茶杓
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鼈甲茶杓
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水牛角茶杓
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金茶杓・銀茶杓
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堆朱茶杓
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木製茶杓
高く売れる茶杓ってどんな茶杓?
茶杓に使われることがある素材をいくつか紹介しましたが、茶杓の買取価格は、実は上記のような「茶杓の素材」だけを見るのではなく、「茶杓の作家」「銘」「状態」などの複合的な要素で決定していきます。
骨董品買取で高く売れる茶杓の傾向としては、「作家物かどうか」「高級素材が使われているか」「骨董品としての価値を持つ茶杓か」などが挙げられますが、例え同じ作家が作った茶杓でも、出来栄えや状態によって買取価格は大幅に変わります。
前述したように、茶杓の価値を鑑定するのは知識のある人間でないと非常に難しいので、骨董品買取業者の無料査定などを利用して価値ある茶杓か判断してもらうのが一番です。
ここが注意点!
茶杓は一見粗末に見える品も多いので、素人が「価値の高い茶杓ではなさそう」と感じても、捨てる前に一度は専門家に相談しておくことをおすすめします。
無価値な茶杓に見えたとしても、専門家が視れば作家物の茶杓で、高く売れるものだったという可能性も十分にあります!
さすがに100万円単位で取引されるような茶杓になると、美術品所蔵や文化財レベルの希少品になってくるので、そう滅多に見つかるものではありません。
ですが、例えば数万円~数十万円の買取価格が付くような茶杓なら一般家庭から見つかる割合も結構多く、「自宅の片付けで見つけた」などの古い茶杓が高額で売れるような可能性も十分にあります。
では、具体的にどういう茶杓がどれほどの買取価格になるのかも続けて紹介していきます。
茶杓の買取相場と価値について
ここでは、茶杓の買取事例として概要と相場をまとめて解説していきます。
茶杓 武者小路千家7代直斎(堅叟宗守)作
こちらの茶杓は、武者小路千家の「7代直斎(堅叟宗守)」という茶人が作った茶杓です。
武者小路千家は千利休を家祖とする流派で、12代目が表千家(茶道の別流派)へ引き取られたため一時途絶えていましたが、大学卒業後に再建し、現在は14代目が活躍されています。
7代目「直斎」は、武者小路千家へは養子として迎えられましたが、古くからの制度を整備し多くの門人を受け入れ、茶道の門戸を開いたことから”中興”と称されることもある人物です。
こちらの茶杓は7代直斎が制作したもので、買取相場としてはおよそ18万円~22万円前後になる品です。
茶杓 表千家13代即中斎作
こちらの茶杓は表千家の13代「即中斎」が手掛けたもので、下削は柄杓師の黒田正玄が行っています。
13代即中斎は同門会を設立し、その後表千家不審菴自体を財団法人化したことで、茶道への門戸を開き「現代茶道の祖」とも呼ばれる人物です。
13代即中斎の茶杓は、黒田正玄や駒沢利斎などの千家十職が下削りを行ったものが多いのですが、本人が直々に削ったものもあります。こちらの茶杓であれば、大体8万円~13万円前後が買取相場になる品です。
茶杓 田中仙樵作
こちらは「田中仙樵」という茶人が手掛けた茶杓です。
田中仙樵は裏千家の茶人「前田瑞雪」に入門し、その後13代千宗室に師事、のちに茶道の流派のひとつ「大日本茶道学会」を設立したことでも知られます。
田中仙樵作の茶杓は、骨董品市場ではそれほど取引数が多くないので相場が揺らぎやすいのですが、こちらの茶杓だとおよそ1万円~4万円前後の買取相場になる品です。
高く売れる茶杓の特徴と作家情報
高く売れる茶杓は上記で紹介したように色々とありますが、ここでは高価買取が期待できる「有名な茶杓作家」について紹介していきます。
茶杓の価値は、基本的に「作家」が大きなウエイトを占めています。もちろん例外も数多く、特段作家物ではない古い茶杓に高額な値段が付くことも多いのですが、「作家物かどうか」は鑑定の際に必ずチェックするポイントの一つです。
こちらで紹介している作家に該当する茶杓をお持ちであれば複数の買取業者に相見積もりをとってから売る事をおすすめします!
井口海仙
「井口海仙」は、裏千家13代千宗室の三男として生まれた茶道家です。茶道教授として活躍する傍ら、茶道に関する機関誌を主宰、その他も様々な著書を出版しています。
裏千家という宗家に生まれながらも、茶道の世界を客観視することが出来た稀有な人物で、茶道ジャーナリストとしても広く活躍し、戦後には淡交社社長に就任しています。
井口海仙作品はほとんどが茶杓ですが、色紙や短冊なども稀に骨董品市場で取引されることがあります。
茶杓に関して言えば、およそ2万円~6万円前後で取引される品が多いのですが、こちらも市場での取引数があまり多くなく、買取相場は揺らぎやすくなっています。
品物情報 | 買取相場 |
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井口海仙 茶杓 下削・黒田宗傳(長さ:約18.6cm) | 2万円 |
井口海仙 茶杓(長さ:約18.3cm) | 13万円 |
井口海仙 茶杓(長さ:約18.5cm) | 6万円 |
黒田正玄
「黒田正玄」は、茶道具を制作して代々千家に納めてきた「千家十職」のひとつです。
黒田家は竹を使う茶道具を制作しているため、特に茶杓は数多く手がけていて、下削のみを行った茶杓をそのまま千家に渡すこともあります。
もちろん、茶杓の他も竹製の香合や花入れなども多く手がけているのですが、茶杓に関して言えばおよそ3万円~7万円前後で取引される品が多いです。
ここ5年以内の市場では、茶人の書付が付いた茶杓が1本14万円前後で取引されました。
品物情報 | 買取相場 |
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黒田正玄 茶杓 書付あり(長さ:約18.7cm) | 4万円 |
黒田正玄 茶杓(長さ:約18.4cm) | 5万円 |
黒田正玄 茶杓(長さ:約18.2cm) | 2万円 |
裏千家14代淡々斎(千宗室)
「淡々斎(千宗室)」は裏千家14代を務める茶人で、書付を付けた茶道具なども数多くあります。淡交会や国際茶道文化協会を設立し茶道文化を広め、裏千家発展の礎を築きました。
斎号は「無限斎」というのですが、一般的には淡々斎として知られていることが多く、茶道具にも淡々斎と記していることが多いです。
茶杓に関して言えば、黒田正玄や岩木秀斎、駒沢利斎などが下削りを行う品も多いのですが、本人が削ったものもあります。
買取相場としてはおよそ15~20万円前後で取引されることが多いのですが、こちらも状態によって幅があり、ここ5年以内では黒田正玄下削の茶杓が1点50万円前後で取引されました。
品物情報 | 買取相場 |
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14代淡々斎 茶杓(長さ:約18.4cm) | 7万円 |
14代淡々斎 茶杓(長さ:約18.1cm) | 25万円 |
北大路魯山人作信楽焼茶杓(高さ:約9.1cm、幅:約12.0cm) | 12万円 |
また、茶杓には「銘」と呼ばれる名前が付いていることが多いのですが、そもそも銘とは「茶席の趣意を表す」という大切な役目があります。そのため、茶会では亭主がその場に合う銘の茶杓を選んで使用します。
お稽古用の茶杓には銘がないので亭主が自分で考えるのですが、作家物の茶杓には既に銘が付いていますので、「箱に何か言葉が書いている」というだけでも作家物である可能性は上がります。
また、銘には禅語や季語が付けられることが多いのですが、ときには材料の竹の状態を表現した銘が付けられることもあります(”けつりそこなひ(削りそこない)”や”そらわれ”等)。
その銘や茶杓の状態、形状なども査定した複合的な要素で買取価格が決定していきます。
一般家庭から出てきて、かつ価値の高い茶杓は「作家物茶杓」である割合がかなり高いので、お持ちの茶杓が作家物だと分かっているだけでも高価買取が期待できます。
ここが注意点!
作家物の茶杓であることが分かっていたとしても価値はピンキリですし、中には贋作などの可能性もあり、状態等によっては絶対に高く売れるわけではありません。
逆に、作家不明の茶杓でも鑑定の結果、価値が高いものだったという場合もあります。
茶杓の価値・買取価格が気になる場合は、骨董品買取業者の無料査定を活用することをおすすめします!
茶杓を高く売る為のコツと注意点
茶杓を高く売るための一番のコツは、何と言っても茶杓の相場をある程度知っておくことが最も良い方法です。
自分自身で相場さえしっかり把握していれば、好みの買取業者へ売るにしても、あるいはオークションやフリマアプリなどで個人売買を行うにしても、不当に安く売ってしまって損するケースは避けられるからです。
ただ、茶杓の価値を鑑定するのは非常に難しく、その道の専門家でなければほぼ不可能です。
茶杓は作家情報の他にも状態や出来栄え、書付の有無などの査定ポイントが多数あり、例え同じ作家の茶杓であっても数十万円単位で買取価格が変動します。
また、象牙やべっ甲など希少価値が高い素材で作られた茶杓もあり、その場合は素材の価値も考慮して鑑定を行う必要がありますので、茶杓の価値はかなり複雑になっています。
そのため、簡単に茶杓の相場を知る方法としては、まず2社以上の骨董品買取業者に相見積もりを依頼し、買取相場と作家作品かどうかを把握する方法をおすすめしています。
問い合わせの内容は使い回し出来るので手間も掛かりませんし、専門家からどういう作品なのかも教えてもらえるのでとてもおすすめです。
複数の業者へ依頼することで、おおよその買取相場を簡単に把握できますし、買取業者ごとの買取価格差も大体分かるので、骨董品買取においては「複数の買取業者へ問い合わせる」という方法を最も推奨しています。
ここが注意点!
骨董品買取業者へ問い合わせるときの注意点ですが、「よくわからない骨董品買取業者へ依頼するのはやめておく」ことをおすすめしています。
悪質な買取業者に当たってしまうと、どんな価値ある骨董品でもガラクタ扱いして無料同然の価格で買取しようとしてきます。依頼するだけ時間の無駄になってしまいますし、言いくるめられて不当な買取価格で売却してしまう恐れもあるためです。
そもそもの鑑定眼があるかどうかも微妙ですので、正しい価値を知ることが出来ない可能性も高いです。
茶杓の鑑定・売却のおすすめ業者は?
茶杓は見た目こそ質素で、あまり高級そうには見えませんが、価値あるものは百万円単位の値段で取引されることが当たり前です。
もちろん、そこまで高い買取価格が付くものは稀ですが、数万円~数十万円の茶杓なら一般家庭から見つかる割合も比較的多く、家で長年眠っていた茶杓に数十万円の買取価格が付くような可能性も十分にあります。
知らないうちに捨ててしまったり、本来の価値を知らないまま安値で処分してしまうともったいないので、当サイトでもおすすめの骨董品買取業者「福ちゃん」か「日晃堂」に無料相談してみることをおすすめします。
茶杓の買取をしている業者は色々とありますが、こちらの二社を特におすすめしている理由は「買取価格・鑑定力・専門性・サービス対応」など骨董品買取に関する実績が特に優れていたからです。
特に、福ちゃんは焼物やアンティークにも精通している中尾彬さんと池波志乃さんがご夫婦でイメージキャラクターとして起用し、テレビCMなどのメディア展開、200万点をこえる買取実績数など、大手買取業者として信頼できるので、茶杓の買取で悩んでいれば福ちゃんに相談すれば間違いありません!
福ちゃんのおすすめポイントまとめ
- 骨董品買取でも経験豊富な査定士が在籍
- 骨董品買取サービスは完全無料で利用可能
- 総合買取業者なので、幅広い不用品でもまとめて任せる事ができる
- 実績豊富な大手買取業者の一社なので、大手としての安心感あり
- 遺品丸ごとパックという独自サービスあり
福ちゃんの骨董品買取サービスのメリットを挙げればキリがありませんが、全国的に見てもここまで総合的に優れた骨董品買取サービスを提供しているのは福ちゃんの他にありません。
「茶杓の買取価格が知りたいだけ」といった、相談だけをしたい時も福ちゃんでは積極的に対応しています。
もしも、自宅で気になる茶杓が見つかってどうしようか悩んでいれば、とりあえず福ちゃんに相談して色々と教えてもらうとよいでしょう!
茶杓買取についてまとめ
有名な茶人や作家物の茶杓は、骨董品としての貨幣的な評価も付随し、1本が数十万円~数百万円での取引になることも多いです。骨董品市場でも盛んに取引されていて、鑑賞目的で購入する方も居れば、良い茶道具として実用目的で集める方も多いです。
古そうな茶杓であれば絶対に価値があるというわけではないのですが、鑑定の結果「高名な宗匠の茶杓」「有名作家の品」「良い書付が付いている」などが評価されれば、茶杓1本に数十万円以上の買取価格がつく事も十分にあり得ます。
ただ、茶杓の価値は非常に複雑で、その道の専門家でなければ正しく鑑定できない可能性も高いです。
オークションやフリマアプリなどの個人取引で不当に安く売ってしまい、二束三文にもならなかったという事にもなりかねませんので、まずは信頼できる骨董品買取店に相談してみることをおすすめしています!